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渡邊 隆広; 國分 陽子; 藤田 奈津子; 松原 章浩*; 西尾 智博*; 三宅 正恭; 加藤 元久*; 磯崎 信宏*; 虎沢 均*; 西澤 章光*; et al.
no journal, ,
加速器質量分析法(AMS)の発展により、放射性炭素(C)年代測定は地質試料の形成年代推定等、深地層の科学的研究に広く応用されている。各分野への応用展開が進むにつれて、AMSによる測定技術のみならず、汎用性のある前処理技術を構築し測定精度を維持するため、前処理の自動化や標準手法の整備が求められている。本研究では、JAEA-AMS-TONOにおいて、自動化機器の一部である元素分析(EA)燃焼法を用いた二酸化炭素精製とグラファイト調製によるC測定を継続し、バックグラウンドの低減及び精確さの向上を検討した。測定結果は、標準試料であるIAEA-C1で0.13-0.16pMC、C5で22.7-23.0pMC、C6で148.3-151.1pMCであり、各標準試料のC濃度の合意値と2の範囲で一致した。また、作業の効率化に加えて、地層中の植物片等の少量試料のC測定に対応するため、炭素量0.1から1mg以下での前処理作業についても検討した。標準試料IAEA-C4の測定では炭素量の減少とともにC濃度が増加する傾向が見られ、現代炭素の混入が推察された。今後は、グラファイト調製方法やガラスラインの改良等により汚染を低減させ、さらに少量でのC測定を目指す。